other rooms, other letters—no.4 “Yellow Roses”

あちこちで木香バラが咲く季節は、

通勤途中の道がいつもよりちょっと楽しみになる。

美しく手入れされた庭に咲いているものより、

ほったらかしにされて、わぁっと咲き乱れている方が、

伸び伸びと生命力に溢れていて好きだ。

花を眺めて歩くこと、これも私のサムシングのひとつ。

 

人生は良いことばかりじゃないけれど、

そうじゃないからこそ感じられる

小さな優しさがあるんだと思う。

例えば、美しい音楽と共に蘇る思い出や匂いが、

自信のない背中を見透かしてふわっと支えてくれる瞬間の、

自分は自分でしかないのだなぁだと気がつく感じ。

例えば、夕焼けが身体にじんわりと染み入ってきて

微かに痛みを伴う瞬間の、心が揺さぶられる感じ。

 

気をつけて、そこに気持ちを向けていないと、うまく掴めない。

美しい花の色や形も、心に寄り添う音の響きも、

見上げればいつでもそこにある空も。

世界はたくさんの魔法に溢れているってことを、気づかせてくれるサムシング。